有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の開示②

サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が東京で開催した7月17日の『SSBJ基準解説セミナー2026』に,小澤が参加しました。

このセミナーでは,最新のサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)の詳細がSSBJ委員長ほかから説明されました。

 

1 SSBJ基準の構成

SSBJ基準は,

①適用基準(サステナビリティ開示基準の適用)

②一般基準(サステナビリティ開示テーマ別基準第1号「一般開示基準」)

③気候基準(サステナビリティ開示テーマ別基準第2号「気候関連開示基 準」)

④温対法基準(サステナビリティ開示実務対応基準第1号「温対法におけるSHK制度の定める方法により測定し報告する温室効果ガス排出を用いて『気候基準』の定めに従う場合の開示」)

の4本の基準から構成されています。

 

2 サステナビリティ情報の位置付け

サステナビリティ関連財務開示は,財務諸表の補足・補完の役割を果たすものであるとされています。

主として投資家にとって,企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会に関して,重要性がある情報を適正に開示することが必要です。

 

3 一般基準のコアコンテンツ

一般基準の中では,コアコンテンツは,①ガバナンス,②戦略,③リスク管理,④指標及び目標の4個の要素から構成されています。

①については企業統治上当然のこととは思いますが,②については企業が自社のビジネスサイクル等から短期・中期・長期の定義をしたうえで,ビジネス上のリスクを現在及び将来の財務的影響を理解できるようにする情報を開示する必要があるとされています。

③リスク管理は,リスクを識別・評価し,優先順位をつけ,モニタリングをするために用いるプロセスや関連する方針に関する情報等を開示することが求められていますが,まずはリスク分析が重要になるはずです。

④指標及び目標は,現時点での中心は気候変動問題になるのでしょうが,気候問題だけが企業が指標や目標を設定して取り組むべき点ではありません。企業価値を向上させるために,どのような指標や目標を設定し,それがどのように財務諸表に影響するのかを分析しつつ,指標や目標を達成していくかが必要になるはずです。

気候問題以外では,やはり環境,社会,従業員,人権の尊重,腐敗防止,贈収賄防止,ガバナンス,サイバーセキュリティ,データセキュリティなどに関する事項などが検討すべきものと考えられますが,これは財務諸表という数字だけの問題には収まりません。

特に社会との関係や,従業員との関係,人権の点などは,弁護士がSSBJ基準で求められている点を分析・評価するには最適ではないかと考えられるところです。

 

池田総合法律事務所では,企業活動の将来を見据えて,リスクと機会を分析して,企業価値の向上を企業経営者とともに考えていくことのできる弁護士がそろっておりますので,サステナビリティ情報の点についてご検討の法人の方は,一度,池田総合法律事務所にご相談ください。

〈小澤尚記(こざわなおき)〉