株主総会のシーズン、株主の注目を集めるこれからの経営視線
業種にもよりますが、6月は多くの上場企業で株主総会が開催される月です。
昨年3月には、「株主総会前の適切な情報提供について」という要請が政府から出され話題となりました。決算期の財務情報はじめ、株主にとって重要な情報を得られる有価証券報告書が株主総会よりも前に開示されることによって、有益な情報を得て議決権を行使すべきだというのです。昨年は、総会前とはいえ総会前日に開示をおこなったのは64.4%で、好ましいと言われる総会前3週間以上に開示をしたのは1社だけであったそうです(金融庁「2025年3月期に係る総会前開示の状況」)。今年度はどういう結果となったのか注目されます。ある金融機関の調査では、総会前開示は76.9%、そのうち、1日前60.4%。2日前12.5%、3日前9.2%で8割という情報もあります(三菱UFJ信託銀行の調査)。
2026年4月10日、金融庁と東京証券取引所は、コーポレートガバナンス・コードの改訂案の改訂案を公表しました成長投資の促進、取締役会の機能強化、に加えて、有価証券報告書の定時株主総会前の開示の3点が改訂案の留意事項に掲げられています。議決権行使に当たっての株主への情報提供の早期化、充実化を図ろうとするものですが、要請の発令から2年目となる今年の株主総会では総会前開示が、更に一般的に実施される方向となりそうです。
株主との対話が求められる昨今、有価証券報告書においては、サステナビリティ情報をはじめ、コーポレートガバナンスに関する情報、政府保有株式の保有状況など、重要な関心を集める情報が掲載されています。会計監査人との連絡、協力のもと、自社にとって最適な対応、その時期など、検討すべき課題が少なくありません。また、株主にとっても、重要な情報をどのように得ていくのか、会社の現状、そして事業戦略を知る手がかりが増えるということで期待すべき方向になると思います。
次回以降、検討されている会社法の改正動向、コーポレートガバナンス・コード改訂案などについて、ご紹介したいと思います。
なかでも、企業を超え、地域の課題にもかかわっての経営が求められる時代に、これから避けて通れないサステナビリティに関する話題も取り上げてみたいと思います。 <池田桂子>