不貞相手に「慰謝料請求」の請求はできない-最高裁初判断

平成31年2月19日、元配偶者の不倫相手に対して、離婚に伴う慰謝料の支払いを求めた事案で、下級審裁判所では一部認められるべきとした判断を覆し、最高裁判所(第3小法廷)は、「夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対して、特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料を請求することはできないものと解するのが相当である」との判断を下しました。 Continue reading “不貞相手に「慰謝料請求」の請求はできない-最高裁初判断”

経営者保証ガイドラインによる解決の手法が広がり始めている~代表者の保証債務からの解放・軽減~

従来、会社の経営が立ち行かなくなったとき、会社については、私的整理や法的整理(破産、再生)で処理する一方、会社債務について、個人保証をしている代表者については、破産ないし再生で処理するという扱いが一般的でした。 Continue reading “経営者保証ガイドラインによる解決の手法が広がり始めている~代表者の保証債務からの解放・軽減~”

非接触事故でも、賠償請求ができますか

交通事故等で直接加害者側の自動車等に衝突しなくても、衝突しそうになり、これを避けるために、転倒をしたりして怪我をするということはあり、特に、バイクや自転車といった2輪車はバランスを崩しやすいので、こうした事故につながりやすいものです。さて、こうした場合に、加害者側に接触によって被った被害を賠償することが出来るでしょうか。 Continue reading “非接触事故でも、賠償請求ができますか”

進む「働き方改革」、求められる企業・雇用主側の対応

女性、外国人、高齢者を取り込み、労働力の確保と経済成長を促そうと、「一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジ」と名を打って議論されていた働き方改革関連法が今年6月末の国会で成立しました。その一部は2019年4月1日から施行が予定されていますので、体制の整備が急がれます。 Continue reading “進む「働き方改革」、求められる企業・雇用主側の対応”

「3つのe」裁判手続のIT化の現在と未来、どこまで進む?

平成30年3月30日に内閣府から「裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ-3つのeの実現に向けて-」が公表されました。今回の取りまとめは、平成29年6月の閣議決定に基づく「未来投資戦略2017」を受けたもので、同年10月以降開催された「裁判手続等のIT化検討会」によるものです。政府主導ではありますが、法務省が関係省庁として、また最高裁がオブザーバーとして参加しました。 Continue reading “「3つのe」裁判手続のIT化の現在と未来、どこまで進む?”

お住まいのマンションの民泊利用を禁止するには?

先日、日本人女性が、アメリカ人観光客の滞在していた民泊施設の一室で、監禁され、バラバラ遺体となって見つかったという痛ましい事件がありました。事件の容疑者は、約1か月前に日本を訪れ、個人宅やマンションの空室などを宿泊用に提供する民泊施設を転々としていました。 Continue reading “お住まいのマンションの民泊利用を禁止するには?”

インターネットの書込み被害への対処法とその責任

最近、某野球選手が妻の容姿について「ブス」と書込まれたブログを巡り、ブログ作成者を名誉毀損だと訴えたことが話題になっています。名誉毀損に当たるか否かは社会的な評価が低下したかなどの要件も問題になりますが、侮辱的な発言であることは間違いなく、言論や表現行為の自由があるとしても、他人の人格権を攻撃するような違法性のある行為は許されません。従って、民事であれば高額ではないにしてもある程度まとまった金額(たとえば数十万円程度)の損害賠償請求が認められる可能性があります。 Continue reading “インターネットの書込み被害への対処法とその責任”